③水のプロジェクト

 

ケニア山麓のGithongo工場をずっと下り、25kmほども行くと、もう半乾燥地帯になってしまいます。5,200mのケニア山にはかなりの雨量がありますから、高いところでは急流の小川がいくつもあるのですが、標高1,300mぐらいまで下るとほぼすべてが、地下にもぐってしまいます。紅茶工場関係者の依頼を受けて、1996年から1997年にかけて、そのたびたび旱魃の被害を受けるメルー県北部キアバイバテ/ンチュラ地区で、地域住民(500世帯)とともに、5kmほど離れた山腹の泉から水を引く水道づくりを支援しました。泉から湧き出した水のせいで、泉の周りと下流部の1.5kmほどは湿地帯と深い森になっており、そこに幅30cm深さ50cmほどのトレンチ(溝)を堀り、直径10cmのパイプを敷設、村の背後にある高台(もちろん泉よりは低いところにあります)の12万?のメイン・タンクまでつなぎました。森の中で50cmの深さの溝を掘るのは、木の根が張っていますし、巨大な岩もうずもれていますから大変です。その前に、まずトレンチを掘る幅1.5mほどの小道を作らなければなりません。熱帯の木が密集した森の中をです。こうした作業を、メンバーの肉体労働だけでやってのけたのには、感激させられました。ヘビも出ますし、象も出没します。メイン・タンクからは細いパイプで各部落まで編み目のように配管しました。メイン・タンクからのパイプの総延長は、80km近くにおよび、現在も延長しつつあります。全体では60k㎡の地域をカバーしています。