①ニャンダルア件 奨学金プログラム

 

主にニャンダルア県で、96年から2006年まで優秀であるにもかかわらず、貧しいために高校へ進めない子供たち(294名)に対し、奨学金を支給しました。この奨学生のうち高校を卒業したのは277名、国立大学に進んだのは107名。ケニアの国立大学入学できるのは、年間に生まれる子供たち約80万人の中の1万人ほどですから、優秀でなければ合格できません。ケニアの優秀な人材育成支援に貢献しました。もうかなりが大学を卒業して、職についていますが、そのうち30人ほどは私のオフィスに、しばしば顔を出してくれます。私のオフィスのチーフ・アカウンタントもその1人で、働きながら公認会計士の資格を取得しました。またアルバイトの2人は、2006年卒業で大学在学中ですが、全国一斉の高校卒業資格試験の結果はトップランクAフラットでした。また、先日は大学を卒業した後、治安の悪いソマリア国境の砂漠地帯でカトリックのNGOの下、公衆衛生の仕事をしていた女の子が、ニュージーランドの大学院で公衆衛生に関する修士コースに奨学金を得たからと、挨拶に来てくれました。やはり、うれしいですねー、こういう事は。身近にいる親しい奨学生に、他の者とも連絡をとるように言っていますので、一声かけると百数十人が集まりそうです。10年後、20年後には、ニャンダルア県で一大勢力をなすことになりそうです。将来、この中から腐敗フリーの国会議員、大臣が生まれるかもしれません。この奨学金が何人かの人生を大きく変えたのは、確かだと思うのですが、それに反して、高校は出たけど貧しさは変わらず、賢い子供を持った親に変わっただけで、「じっと手を見る」という元奨学生も多いようです。