Vol. 20 春陽号 2014年3月17日発行

発行人:日本ケニア交友会 丸川 正人

 

デザイン変更のお知らせ

 

いつもお世話になっております。さて、この来る5月1日から、コロコロタイプのBP1を詰めている山のパッケージのデザインを、変更することとなりました。

山のデザインが少し地味なので、ケニアらしい明るいものに変更したいなあ、とは随分長い間考えていたのですが、パッケージの在庫のことや、デザインをどうするかで、なかなか決断することが出来ませんでした。

ところが、去年の初め全くの奇遇から、25年昔に山のデザインと子供のデザインを作ってくれたデザイナーとの付き合いが復活し、彼にまたお願いすることとなりました。彼との仲は、1980年代後半にナイロビで知り合って以来です。この25年はやはり長く、彼の作風もかなり変わったようです。かなり画期的なデザインとは思いますが、ケニアへの、ケニアの人達への好意がよく表現されていると、私自身すごく気に入っています。実のところ、このモデルは12~13年前の私の家内と娘の写真です。デザイナーが気を使って、余り似すぎないようにはしてくれていますが。娘も今は15歳、私よりずっとデカクなっています。当時はかわいかったなあ!まあ、デカイけれど、今でもかわいいですけれど。

それと、うちの紅茶は基本的にメッセージを伝える商品なので、富塚が裏面だけでなくマチまで使って、非常にたくさん説明を加えました。

 

子供のデザインのパッケージともども、このお母さんと女の子のパッケージも可愛がってやってください。

このデザイン、後ろに山もあるのですが、主役はもちろん前面の2人ですので、これからは、おやこ(旧山)と呼んでやってもらえないでしょうか。

 

写真左「おやこ」のコロコロBP1、写真右「こども」の小粒PF1、というように。

BP1 ブライトテイスト
BP1 ブライトテイスト
PF1 リッチ・ボディ テイスト
PF1 リッチ・ボディ テイスト

2014年奨学生が決まりました

 

さて、この1月末、今年高校に入学する4回目の奨学生を選考いたしました。下記の8名、男子4名、女子4名です(名前/高校名/家族構成)。

 

(男子)

アーネスト・ムイリギ君/CHUKA高校/シングルマザー

クリントン・ムリウキ君/KIBIRICHABOYS高校/孤児

ニコラス・ムネネ君/ONTULILI高校/シングルマザー

フィネアス・ムトゥイリ君/KIBIRICHABOYS高校/孤児

(女子)

ジョイ・カズレ・キマティさん/KIBIRICHAGIRLS高校/シングルマザー

ジャクリン・マケナ・キニュアさん/KIRIGARI高校/孤児

ネリスタ・ガチェリ・キニャさん/KIBIRICHAGIRLS高校/シングルマザー

カロライン・マケナさん/YURURU高校/シングルマザー

 

これで1~3回目の18名と合わせて、26名となりました。

実は予算上、年5名が精一杯なのですが、選んでいるうちにどうしても落とせなくって、毎年のように増えてしまいます(一人あたりの学費支払いは、年間 40000~45000円です。寄宿校です)。

 

最初の頃は、19校ある地元の公立小学校でも、推薦してこない校長先生が多く、また推薦してきても、推薦が通り一遍で熱意が感じられなかったりで、まだ選ぶのもそれほど難しくなかったのですが、年々校長先生が真剣になってきたもので、大変になってきています。今回なぞは、1月に入ってから、校長先生方から私のオフィスに電話が入りっぱなしでした。

 

と言う訳で、今回の選考は大変でした。候補者は13名でしたが(ということは、推薦してこない校長先生がまだいるという事ですが)、一人はKTDA本部が1工場につき一人だす奨学金がもらえましたし、もう一人はナイロビに本店がある銀行の奨学制度に選ばれました。残り11名の中から、交友会が8名の面倒を見ることになりました。結果的に3名を落とさざるをえず、心苦しかったのですが、何とか孤児とシングルマザーのこどもは取ることが出来ました。と言うか、取ることにしました。と言う訳で、毎年人数オーバーしてしまいます。

 

この子供たちの全員が、小学校時代、お金が払えなくて、校長先生や先生方の助けを受けて、やっと卒業できた子達です。また、この子達の保護者、つまりシングルマザーのお母さんであったり、身を寄せているお祖母さん(お母さんのお母さん)であったり、のほとんどは、紅茶畑を持っていません。この地区はケニア山の山腹ですから、あちこちに小川が流れていますし、にわか雨もしばしば降ります。従って、一年中農業が可能ですので、茶葉の摘み取りの外にも、畑での賃仕事がいくつもあります。と言う訳で、山の下の半乾燥地帯から貧しい人達が上がって来、定着してしまいます。そういう人達の子供たちだということです。

ギドンゴ紅茶工場には、5500戸の農家が所属していますが、1戸あたりの平均所有茶畑は0.2ヘクタール(例えば、50m×40m)、随分小さいようですが、この0.2ヘクタールに大体2000本の紅茶の木が植わっています。きちっと手入れをすれば、一本の木から年に2kgの茶葉を収穫できますから、一般的な紅茶農家は一年に17~8万円の収入を得ることができます。私が住むナイロビ郊外の新興住宅街ルアイでも、月に2万円あれば家族4~5人が何とか暮らしていけますから、家もあり、他の畑も小さいながら持ち、乳牛も持っているような、メルーの一般的農家の年17~8万円の収入はなかなかのものです。

対して、紅茶摘み取りの賃労働は、1kgの茶葉の摘み取りに約10円。1日に20kg摘み取るのは、厳格な一芽2葉ですので、かなり大変です。それでも1日、200円。1ヶ月働けたとしても、月5000円。これが、奨学金制度に家族が茶畑を持っていることを条件にしない理由です。もし条件に入れれば、最も貧しく、援助を必要としている層を、除外してしまうことになります。

 

ちなみに、私の住むルアイは今建築ラッシュですが、建築労働者の1日の賃金は約700円。専門のある職人となると2000円になります。もっとも、いつも仕事があるとは限りません。1軒の家の建設が終わると、次の仕事をもらうまで、やはり日にちがあるでしょう。

紅茶の地元経済への貢献について、少し付け足します。

ケニアには全部で47の県(カウンティ)がありますが、住民の平均所得が最も高いのはもちろんナイロビ、2位から4位の県もナイロビの近郊県で、ナイロビに働きに出ていたり、ナイロビに在住していても実家があったりする県です。そして第5位が、我がメルー県。この第5位には、紅茶が大貢献しています。

長年メルーの紅茶に係わってきた者としては、嬉しい限りです。

 

奨学金制度の話に戻りますが、多くの人数を取った分、「学費の一部(25%)は地元のコミュニティが支払わなければならない」という規則を今年から厳格に適応する、こととしました。これは単に金額の問題ではなく、「こうしたプロジェクトは、コミュニティを巻き込まなければならない」という私の考え、信念からです。とはいっても、孤児などの場合、今まではついつい100%支払ってしまっておりました。今回は最終選考において、推薦した校長先生が中心になって、残りの金額(孤児 15%。シングルマザー 25%)を集める、寄付をつのる用意があるのかを、直接質問いたしました。返事は、「小学校にいた時だって助けたのだし、先生方の協力もえて、絶対に払う」とのことでしたので、孤児、シングルマザーの子、全員を取ることに決定した次第です。

 

ここでお願いです。

現在でも予算を大きくオーバーしているのですが、これからは推薦候補がますます増えることが予想されます。今回取れなかったなかには、二親そろっているものの、かた方が病弱である、知的ハンディキャップがある、などというのもありました。もう少し人数を取ってやりたい、というのが本音です。

そこで、この奨学金にたいして、寄付をお願いしたいと思います。

富塚が、新しい寄付金口座を郵便振替に開設いたしましたので、幾ばくでもかまいませんので、是非寄付をお願い申しあげます。

 

寄付金口座番号 00110-5-450063

(または、ゆうちょ銀行 店名019 当座 0450063)

日本ケニア交友会寄付金・奨学金係

(ニホンケニアコウユウカイキフキン ショウガクキンカカリ)

 

最後になりましたが、この4月1日から、消費税が上がります。当会においても、3%を値上げせざるを得ませんので、ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。

 

更に、大分先の話なのですが、多分11月1日をもって、紅茶の料金を約10%値上げさせていただかざるを得なくなりました。理由は、1から10まで円安です。4年ほど前から紅茶のドル価格は高騰していたのですが、円高のおかげでなんとか値上げせずに済んでいました。ところが去年初めからの円安の進行で、その率も25%から30%に及びますので、もうこれ以上は、というところまできてしまいました。円高の際に少々ドルを買いためておいたのですが、それも尽きてしまいました。また、当会はナイロビに本部を置いており、その維持の為に出費するケニア通貨がドルに対して強い(不思議なことに)、ということも効いております。改めてお願いの手紙を出させていただきますが、今の状況では、値上げは避けられないように思われます。前もってではありますが、よろしくご理解お願い申しあげます。

 

3月13日 ナイロビにて、丸川正人

 

編集室より

2月にケニアに行ってきました。ちょうどマンゴーが旬で、たくさん食べました!

(フルーツ大好き ひさこ)