空手家ピーター

ジャンボ!あきこです。ひさこがケニアに住んでいたとき、紅茶の仕事以外は何をしていたのか聞いてみると、「YMCAで空手の稽古」との返事。異国の地で日本人女性が空手…、心細くないのか心配でしたが、「ケニア人の空手仲間がたくさんいるから安全」だったそうです。その空手仲間の一人、ピーター・オンビマさんが、所属している日本松濤空手連盟(JKS)主催「第3回世界松涛連盟空手道選手権大会」出場のため、日本へ2回目の来日を果たしました。 2年前の冬、昇段試験のために初来日した際、私は初めてピーターさんにお会いしました。すると、私と彼は、なんと生年月日が一日違いということが発覚!日本とケニアの時差(6時間)を考えるとほぼ双子です。やっぱり私とケニアはつながっていたのだと再認識しました!

 

そんな私のブラザー・ピーターさんは7歳から空手を始めていましたが、10歳で交通事故に遭い重傷を負いました。そして3か月間意識不明の後、意識は戻ったものの右手は切断しなければならないとケニア人医師に言われたのです。ところが、その話を聞いた日本人の空手家(今思えばJICAの専門家さんだったのでしょう)が「空手の練習を続ければ切らなくてもすむ」と練習方法を教えてくれて、その通り地道に練習したところ、切断せずに済んだそうです。「今のボクがいるのは空手のおかげ」と、空手によって人生を切り開いたピーターさん、渡航費用は前回も今回も、ケニアと日本の友人たちによるハランベー(寄付)で捻出し、道衣と身一つでの来日です。

 

普通のケニア人が日本に2回も来ることは、なかなかできないことですから、今回の大会はぜひとも「優勝を!」と、周囲の期待を背負って大会に出場しました。ひさこは「監督」登録で会場に入り、ピーターさんのサポートに回りました。そして、7月28日(日)に代々木第2体育館で行われた試合結果は、1回戦に勝ちベスト16。

 

「でも、勉強になったよ。3年後の南アフリカでの世界大会ではもっと上位に入ってみせる!」と新たな気持ちで会場を後にしました。世界各国からたくさんの選手が参加していましたが、ケニアからは唯一の代表選手として目立ったため、会場ではちょっとした人気で、「僕は日本で有名になった!」とうれしそうでした。

 

このピーターさんに、「ケニア山の紅茶」の専属モデルをお願いする予定です!?